犬と女王様
【タイトル:犬と女王様】
【著者:小澤奈央】
女子高生のアオはTLコミックの中でもちょっと変わった主人公。
悲劇のヒロインでもなければペットのような存在でもない。
そんな彼女はなんなのかと言うと、イケメンふたりの“女王様”。
中学生の頃、アオはSMの趣味を持っていた教師と付き合っていました。
それだけでも驚くべきことなのに、自らの体験談を私小説として発表してしまうのです!
私小説はあれよあれよと売れたのですが、すべてうまくはいきません。
アオは問題児を集めた全寮制の高校へ入ることになります。
それもそうでしょう。
生徒が教師と性的な関係を持っているだけでも問題なのに、
加えて当時のアオは中学生。それも内容はSMです。
注目を浴び遠巻きに指をさされるのも無理はありません。
しかしアオはそんなことでくじけたりはしませんでした。
新たな学校では何人もの女の子たちをどちらが先に落とせるか、
そんなゲームをして遊んでいる例のイケメンふたりに出会ったのです。
ルックスもよく性格も面白い。
彼らは学園のアイドル的存在でしたが、次のゲームの標的をアオに決めます。
しかしアオはイケメンになびいたりせず、
むしろ次の小説の新しいネタにしようと自分の犬になることを命じるのです!
「ゲームに付き合ってあげる代わりに、私の犬になりなさい」。
芯が強く、自分を通すアオの姿勢は見ていてとても気持ちがいいですね。
彼らの名前は春と涼。
春と涼のゲームに付き合いながら犬として扱うアオの充実した生活は、長くは続きませんでした。
なんとアオの学校に例の教師が転勤してきたのです!
あろうことか、よりを戻そうとまで言い寄ってきて、
アオの友人でもあるルームメイトにまで手を出して…いったいどうなってしまうのでしょうか。